恋した彼は白金狼《プラチナウルフ》
vol.6

愛は暗示を破れるか

●●●●

数日後。

……私が好きだと、先輩は嫌かなぁ。

そりゃ、私みたいな地味子に好かれても嬉しくないのは百も承知だけど、迷惑がられるのはへこむなぁ。

絶対に両想いとか不可能だし、やっぱ告白とかは無理だなぁ。

私は目の前で夕食を食べている先輩を見つめながら、気付かれないようにソッと溜め息をついた。

「なんだよ」

うわ!

「人の顔見つめながら溜め息つくんじゃねーよ」

「ごめん……」

「……お前、晩飯食わないのか」

先輩は私が作った夕食を食べながら、少しだけ視線をあげた。
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