恋した彼は白金狼《プラチナウルフ》
「……はい……気分が悪くて」

本当はお腹減ってるんだけど、いつものあのムカムカが襲ってきていた。

私の言葉に先輩が箸を止める。

「どんな風に気分が悪い?」

先輩の問いに、私は眉を寄せた。

「んー……と、雪野先輩の事を考えると胸がムカムカするんです。あ」

しまった。

「ごめんなさい、あの……」

私は誤解されるのが嫌で、焦って続けた。

「私の意思に関係ないみたいなんです。だって私は先輩が好きなのに、先輩といると気分が悪くなるから不思議で。先輩の事をずっと考えたいのに、考えると胸がムカムカし……て……」

もう、手遅れだった。
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