恋した彼は白金狼《プラチナウルフ》
随分自分だけの世界に入り込んでいたのか、先輩が眉間にシワを寄せてドン!とテーブルを叩いた。

「お前、なに妄想してんだよ」

も、も、も、妄想!!

「いや、別に、なんにも!う、うはははは!」

自分でも不気味で、もし私が先輩だったら、今後半径二メートルは近寄らないかも知れない。

やだ、怯えないで!

でも、さすがデカいバイクを乗り回すだけあって、先輩は怯える様子もなく私を真っ直ぐに見つめた。

「で?いつ?」

「な、なにが?」

「だから、お前の誕生日だよ」

「そ、それは……」
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