恋した彼は白金狼《プラチナウルフ》
「あんな言い方、ないと思います」

だって、愛華先輩は雪野翔が好きなんだもの。

好きな人にあんな風に言われたら悲しいに決まってる。

すると雪野翔は驚いたように眼を見開いて私を見つめた。

「愛華先輩が可哀想です」

「お前みたいなバカを見てると寒気がする」

氷水をかけられたように、全身がヒヤリとした。

怯んだ私を察知したのか、雪野翔が私に一歩近付きニヤリと笑った。

「お前に何が分かんの」

私は一歩下がった。

「佐川の何を知ってんの。俺の何がわかるんだ」
< 67 / 305 >

この作品をシェア

pagetop