御曹司による贅沢な溺愛~純真秘書の正しい可愛がり方~
八年も一緒にいたのだ。
こういう時、何を思い何を考えているのかなんて、わかりすぎるほどにわかってしまう。
だから滉一の目が、表情が、『申し訳ない、お前を傷つけてごめんな』と言っていることも、美月は痛いほどわかるのである。
(うそ……うそでしょ? 婚約? 結婚するってこと?)
美月の脳が、これ以上なく激しく混乱し始める。
(滉一君が婚約する……結婚する……連絡を取りたがってたのは、それを伝えるため? よりを戻す……私にもプライドがある? どんだけ自分に都合のいい妄想をするつもりだったの。馬鹿みたい……いや、私って、本当に馬鹿なんだ。)
結局、美月は笑ってしまっていた。
「ふふっ……そっか……」
すでに涙腺は限界を迎えかけていた。
だが美月は、きつく唇をかみしめた後、息を吸い、おへその下で組んだ手を握りしめ、顔を上げた。