永すぎた春に終止符を


保田さんは、たくさんある店の中からひらひらしたパステル調の商品を並べた店に入った。

これですか…
金魚みたいにヒラヒラしてる。


「いらっしゃいませ」
と店員さんに挨拶され、

「ワンピースがいいかな。シースルーの。明るい色のね。あと、カーディガンも合わせたいんだけど」

「かしこまりました。彼女さん、きっと可愛くなりますよ」
そりゃ…可愛くなくてごめんなさい。

多分、私よりはるかに若い、年下の店員さんは、店の中を歩き回り、彼女さんにも似合う…(私にも似合う)数着のワンピースとカーディガンを持って来た。

試着室の前で、持って来た服を並べて保田さんにどうですか?と尋ねる。
さすが店員さん、さっと二人の力関係を見抜いて、保田さんに同意を求める。

「う~ん、そうだな。梨沙これ、着てみて」

「これは、Aラインのミニシフォンワンピです。袖と裾がふんわりした、シースルーになってます。やっぱりこれが一番可愛いですね」

丈が短い…

足寒そう…

こんなの似合うの?
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