永すぎた春に終止符を
「意外に楽しかったな」
保田さんは、展示場の人にいくつか質問したりしてた。
「はい」
この人と付き合うと言うことは、ただ、毎週のように、ただ会うんじゃなくて、住むところどうしようとか、結婚も意識してるってことだ。これこそ私の望んだことだ。
「本当は、もっと行きたいなあってとこ考えてたけど、あのまま展示場で過ごしちゃったね」
「私も楽しかったです」
「よかった。梨沙の笑った顔が見られて」
「はい」
夜は、落ち着いた店で、美味しいお酒を飲んで、食べなれてない食事をした。
着古したジーンズ姿の拓海とは、絶対来ない店だ。
「こういうの、接待で来た事あるだけだよ。いつもじゃない。えっと。俺、謝ったりしないけど、悪いとは思ってる。だから、その埋め合わせ」
「あの…」
保田さんが、払うと言い出す前にお金を渡そうとしたのに、支払いは、既に終わっていた。
カードで払ってしまったから割り勘にすることが出来なかった。