永すぎた春に終止符を
「他の男にキスなんかさせやがって。お前、ただじゃすまないぞ」
拓海は、すぐ近くにあったティッシュを数枚引き出し、私の唇を拭いた。
「拓海、痛いって」
「間接キスするの嫌だからな」
私は、拓海の胸を両手で強く押した。
「キスなんかしないわよ。もう。止めてって言ってるでしょ?出て行って」
「出て行くもんか」
拓海の唇が、確かめるようにそっと私の唇に触れる。
四年も続いてきた行為は、急に反応を変えることが出来ない。
彼に抵抗できたのは、最初の数分だった。
私の体は、彼の愛撫を待ち望んでいた。
乾ききった砂が恵みの水を欲しがるように。
私の意思と関係なく、情けないほど従順に彼を受け入れていく。