永すぎた春に終止符を
「はああっ。やっぱりダメ?そっか。残念だな。ねえ、断られたのは、俺が焦りすぎたから?」
「違います。私に原因があるんです。保田さんじゃなくて」
「そっか、どっちみち、俺じゃダメだったんだ。そのかわり、教えてよ。正直に言ってごらん、どうして別れたの?」
「そこまで、言わなきゃいけませんか?」
「まだ、諦めないかもよ。そうだな、多分、理由が欲しいんだろうな。
駄目だった理由、言われないより、言ってくれたほうがいい。
っていうより、思いつく理由はひとつしかないだろう、君が別れた理由って。
元カレの方が、結婚したくないって言ってるんだろう」
「保田さん…」
「ほら、みろ。元カレが君にプロポーズしない限り君は動けない。
それで、どうするの?ずっと待ってるの?
可能性ないんだろ?
このあと、君を必要だって男が現れなかったらどうするの?
本当に断っていいの?俺のこと。
なあ、君が30才になる前に籍を入れよう。子供だってすぐに出来るさ。
不安だろ?
何の保証も無いんだぜ、君のこと好きかどうか分からないやつが、プロポーズしてくれるって言う」
私は、保田さんに頷いてしまわないように唇を噛みしめた。
中途半端な気持ちで受けることはできない。