永すぎた春に終止符を

「展示場の反応見たら、そういうのにまったく興味がないってふうには、見えなかったじゃないか。俺、君がキッチンに立って料理してくれるの見たい」


「保田さん、もうその話は止めて下さい。ごめんなさい、私これで…」

「待って。まだ、納得できないよ。受けてくれないなら話だけでも聞かせて」

「駄目です。そんなの。どうして聞きたいなんて思うんですか」


「まあ、俺だって君と彼のことなんか、聞きたくないって気持ちもあるけど…

君と彼のこと、聞いたら諦められるかなと思って。それに、好きになった娘が、何に悩んでるのか。俺は知りたいよ」


「聞いて楽しいものじゃないと思います」


「でもさあ、このままだと俺、お断りされて終わりなんだろう?
それなら、君と少しでも、話せた方がいいな」

「保田さん?えっと…」

「デートみたいに、先に進めるんじゃなくて、ただ、黙って君の話を聞いてあげるよ」


「そんなの無理です…自分のことを話すなんて」

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