継恋
何回か女性に誘われて行く機会があったがパフェって柄じゃないから断ってた。
多分今回も拒否権があれば喜んで拒否してる。
TVの中で先輩芸人に無茶ぶりされて、似てもいない物真似をしていた若手芸人の気持ちが今本当の意味で理解出来た。
彼女は、いやパフェ女はお目当てのパフェに向かってまたルンルン気分で歩き出す。
ただ彼女の後を付いて歩いた。

店内に入るなりメイド姿の従業員が笑顔で出迎え、空いてるテーブルに俺達二人を案内した。
白い壁に彩りの風船が描かれた店内は、ファンシーだ。
周りは、俺達と同じ様に下校中の女子高生やカップルに溢れていた。
皆楽しそうに会話を弾ませ、あちこちで笑い声が聞こえる。
「ねぇ何食べる?」
「そっちは?パフェだっけ?」
「うん♪私は、Veryベリーパフェ!莓とラズベリーの美味しい所どりのこの店一押しなんだよ!」
「じゃあ俺も。」
「意外!パッと見甘いもの苦手かと…」
彼女は、目を大きく丸めメニューから俺に視線を移す。
「別に苦手じゃないよ。けど意外なら何か別の頼むよ。」
俺は、彼女の手にあるメニューに手を伸ばした。
「すいません。Veryベリーパフェ二つ下さい。」
彼女の大きな声が店内に響いた。
その声に反応する様に「かしこまりました。」
従業員の声も響く。
そして一瞬だが店内全ての視線を感じた。
「!!何だよまだ決めてないだろ?っうか大きな声出して恥ずかしくないの?」
彼女は、チラッと俺を見て、
「恥ずかしかった。」と言い、頬を赤く染めていた。
白い肌の彼女だから余計それが目立った。
「だったら何で?」
「だって何か嫌だったから…」
「何が?」
「何か私が言った事でオーダー変えるのが…」
彼女は、目線を俺から反らし下を向いて呟く。
彼女なりに、俺に気をつかってくれたのかな?
そんなに恥ずかしい思いまでして変な子だな。
「ThankYou。」
俺は照れて俯く彼女に声をかけた。
彼女は、またお得意の笑顔で
「いえいえ。」
と自慢気に俺のありがとうに応える。
< 84 / 314 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop