俺様社長の恋の罠

「来月、入籍する」


その言葉に胸がズキズキと痛む。そんな痛みを無視して、私は眞木に笑いかける。


「そっか、おめでとう。ていうか、いいの?いくら同期一の仲良しとはいえ、一応私も女なんですけど。奥さんに怒られない?」


声、震えてないだろうか。ちゃんと、笑えているだろうか。


そんな事を思っている私には全然気付かずに眞木は私に笑いかけてくれる。


よかった、ちゃんと笑えてるみたい。昔から感情を隠すことは得意だった。それに今は感謝する。


「大丈夫だよ。ちゃんとお前のこと話してあるし。今日もそんな遅くならずに……羽山、携帯鳴ってるけど」


眞木のその言葉にはっとして、私は鞄を見た。確かに鞄の中から低い振動音が聞こえる。


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