君の横顔

◆歩sideⅡ



秋に喘息の発作が出るのはいつものことなので、念のために病院に一泊したけど、学校は一日休んだだけで復帰することができた。



一昨日のことを思い出すと、夢だったんじゃないかって思う。

友哉が僕を抱き上げて、保健室まで運んでくれた。

僕の記憶はそこまでだけど、保健の青木先生が言ってた。「桜川くん、救急車に乗って病院までついてきてくれて、ずっと付き添っててくれたのよ」って。

それを聞いた時、すごく嬉しかった。けど、同時にすごく胸が痛かった。

僕は友哉に迷惑をかけてばっかりで、友哉の役に立つことなんて、何一つできないんだ。

ぼくみたいな弱虫、友哉の側にいないほうがいい。

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