卒業までに、俺を好きになってくれないか
瀬奈が帰ってくる日




「和久井さん」



昼休み、トイレから出た私を呼んだのは


中川さんだった



初の呼び出しで、印象に残り

名前を覚えた


「ナンデスカ」


「貴方、Rieなんだって?」


「ェ」


「宮原君が教えてくれたの」


「……」


「和久井さん 宮原君が、あなたと
話がしたいって、ついてきて!」



私は、中川さんについて行き



資料室に入った



他所のクラスの男の子がいた



「ミヤハラクンハ?」



ガリッ


中川さんの爪が、私の頬を引っ掻き

マスクが取れた


痛い


右手で触ると、血が出ていた


ガシッ



男の子らに手を持たれ


自由を失った



眼鏡と帽子を取られ


顔を抑えられた


「イヤッ」


目を開けさせられ、強引にカラコンを取られた


痛いっ


右目に激痛が走る




「下着モデルって、男を誘ってんの?」



ナニ? 怖い…



バリッ



中川さんは、私の制服のブラウスを

むしり開く



「うわっ 白っ そそるなぁ~」



男の子の手が、胸に来ようとした






逃げなきゃ……





「ヤッ!!離して!!やめて!!」




抵抗して、平手打ちされても

どうにか振りほどき



資料室を飛び出した



涙がボロボロ出て、前がよく見えなくて


「和久井さん!!」


ガシッと肩を抱きとめられた


顔を上げると、宮原君だった


「誰にやられた!!」


都築君が、怖い声で言った



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