卒業までに、俺を好きになってくれないか
瀬奈と蒼君と真衣ちゃんは

毎日、交代で来てくれた


この3人以外で、お見舞いにくるのは

おじさんとおばさんだけ



瀬奈が、入院中に色んな人が来ると

廻りに迷惑をかけるから


成美ちゃんにも病院は、教えないでくれと

頼んでいた



私の携帯は、壊れていたから

データも消えてしまった


あんまり入って無かったけど


成美ちゃんと、お話ししたい

お花のお世話、1人でさせて

申し訳ない





今日は、蒼君の日



「江梨奈
体調は、いかがですか?」

「今日、頭の検査して
異常ないって!」


「やっぱ、そのままがいいな!
クラスの皆がな、病気じゃないって
わかったから喜んでたぞ!」


「ねぇ?蒼君」


「ん?」


「私って、気持ち悪くないの?」


「は? …可愛いぞ」


「慰めじゃなくて、本心を言って!」


「いや、マジで!可愛いよ!」


「本当?」


「昔から、そう言ってますけど?」


「瀬奈の妹だからでしょ?」


「違う… 真衣も江梨ちゃん可愛いって
言ってたろ!?」


「妹が欲しかったって言ってたもん」





私は、気にしていた自分の容姿の事を

蒼君に話した



蒼君が教えてくれた



子供は、思ったことを口にする

パッと見、外国人だし

名前は、日本人だから

不思議だっただけだろうと



「気持ち悪いって、誰かに言われた?」




「……言われてない…カモ」





私は、自分で自分の事を気持ち悪いと

思い込んでいた


この入院中に、それに気がついた




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