卒業までに、俺を好きになってくれないか
「瀬奈ぁ~そばにいてよ?」

「もちろんだ!」

「緊張するなぁ~」




入学式の日

これほど緊張しなかった

あの日、瀬奈に絶対来ないで!と言った

学校に今、2人で向かっている



受け入れてくれるかなぁ



不安でいっぱいだった




騒ぎにならないように



授業中に学校へ入る


蒼君の授業時間を使わせて貰う



廊下から、瀬奈が到着を知らせるメール


「皆、教科書をしまってくれ
今から、声を出さないようにな!」


ガラガラ


蒼君が、瀬奈と目を合わせて頷く

そして、私に微笑んだ


瀬奈が、教室に入ろうとしたので


私は、瀬奈の背中にしがみついて


ついていく



段差に躓いたけど


瀬奈がバランスを取ってくれた



怖くて、離れられないんだけど…



「俺の友人、井澄 瀬奈と妹の
和久井 江梨奈だ 江梨奈?何してんだ」



未だ、瀬奈から離れられない為

瀬奈に引っ張られても


蒼君の呆れた声がしても


顔すらあげられなかった



やっぱり無理 ……カモ











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