私、あなたを呪ってマス! ~こちびOLと凶悪な先輩、芹沢彰人の日常~
菅野も乗ってくる。
お姉さまたちはもう行ってしまったようで、他に乗ってくる者は居なかった。
珍しく黙っていた菅野が、ぼそりと言う。
「彰人の匂いがするな」
ぎくりとしていた。
菅野は小春の頭を鷲掴みにすると、鼻を近づけ、
「お前、彰人と同じ匂いがしたぞ、今」
と言ってくる。
「きっ、気のせいですよ」
「同じシャンプーじゃないか?」
「私は男物は使いませんし、昨日は髪洗ってな……」
腕を組んでこちらを見下ろし、菅野が言った。
「語るに落ちたな」
おばさんに電話してやる、と言いざま、本当にかけようとする。
そういえば、昔から無駄に行動の早い男だった。
「やめてください、班長っ!」
「だから、それをやめろって」
としがみついた自分の腕を菅野が振り払おうとしたとき、扉が開いた。
「なにいちゃついてんの、菅野」
とたまたま、そこに居たらしい彰人の友人、井川滿(いがわ みつる)がこちらを見て淡々と言う。
お姉さまたちはもう行ってしまったようで、他に乗ってくる者は居なかった。
珍しく黙っていた菅野が、ぼそりと言う。
「彰人の匂いがするな」
ぎくりとしていた。
菅野は小春の頭を鷲掴みにすると、鼻を近づけ、
「お前、彰人と同じ匂いがしたぞ、今」
と言ってくる。
「きっ、気のせいですよ」
「同じシャンプーじゃないか?」
「私は男物は使いませんし、昨日は髪洗ってな……」
腕を組んでこちらを見下ろし、菅野が言った。
「語るに落ちたな」
おばさんに電話してやる、と言いざま、本当にかけようとする。
そういえば、昔から無駄に行動の早い男だった。
「やめてください、班長っ!」
「だから、それをやめろって」
としがみついた自分の腕を菅野が振り払おうとしたとき、扉が開いた。
「なにいちゃついてんの、菅野」
とたまたま、そこに居たらしい彰人の友人、井川滿(いがわ みつる)がこちらを見て淡々と言う。