消しゴム位の。
「人違いじゃない?
それに、君がどう思っていようが俺には
関係ないから。」

知らないふりをしたのは、
自分の失敗談を聞いて情けなくなったから
って訳じゃない。

今の自分と昔の自分の違い。
その違いを作った原因。
今まで直視していたようで、
していなかった現実。
それを改めて思い知らされ、
思わず泣きそうになる。

「用事があるから。」

一言だけ言い、
自分の闇と過去を悟られぬよう
足早に教室を去った。
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