部長っ!話を聞いてください!
深くため息をつきながら、男性へと視線を戻すと、ばちりと目があってしまった。
男は、にやりと笑みを浮かべた後、私の足元から頭へと目線をのぼらせる。
ぞくりと寒気が走り、体が震えた。
しかめっ面で後ずさりをした私を見て、男がまたまたニヤッと笑う。
「妹も可愛いじゃん」
「出てってください!」
表情も声音も何もかもが気持ち悪くて、私は男の言葉に被せるように、言い放った。
男が再び口を開こうとしたから、勢いよく玄関を指さしてやった。
「今すぐ出てって! お姉ちゃんも!」
ついでに姉も指をさすと、“うるさいなぁ”って顔をしてから、男の腕にしだれかかった。
「もう、愛由花のどこが可愛いのよ。あーんなに恐い顔してるのに」
茶化した口調でそう言って、わざとらしい感じで眉根にしわを寄せた。
顔真似をする姉、笑いだした男に対して、私の怒りのボルテージは上がっていく。
「アンタら、いい加減にして! さっさと出て行って! 早く私の前から消えて!」
床の上に脱ぎ捨ててあったシャツを掴み取り、男に投げつけた。
「愛由花ちゃん、ゴメンってば。怒んないでよ」
「さっさと消えろ!」
怒鳴りつけると、男は姉と視線を通わせてから、しぶしぶといった様子でシャツを着始めた。