「好きで、切なくて。メッセージ。」
「ちょっと待ってて。」

俯いてしまった俺を見て、翔吾が部屋から出ていった。

ひとりになった途端、変に気が抜けて、また落ち込んだ。

しばらくすると、翔吾が階段を上がって再び部屋に入ってきた。

「とりあえず落ち着け。」

そう言って、目の前に差し出されたのは、コーンポタージュの入ったコップ。


ケンカしたとき。
ケガしたとき。
落ち込んだとき。
悔しいときに、お互いがお互いに作っていたカップスープ。

インスタントなのに、匂いだけで昔のことが蘇って、ほっとした。

「飲んで、落ち着いたら何があったのか聞かせてな。話してくれんの待ってるから。」

少し柔らかくなった俺の表情を見て、微笑みながら言った。
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