イレカワリ~番外編~
自殺‐歩side‐
海は俺の事を怨んでいる。


葬儀で聞いた言葉が何度も頭の中で繰り替えされた。


海に黙って沙耶に呼び出されていたこと、幼い沙耶の告白をずっと黙っていたこと。


それが、こんな形になって今の自分に降りかかっているような気がした。


俺は自分の部屋にうずくまり、呼吸をすることも忘れてただ泣いていた。


沙耶が死んだ。


俺たちの初恋の人。


大切な大切な親友。


大好きな人。


沙耶が死んだ。


それはまるで、世界が終わったような感覚だった。


何もする気が起きない。


何も手に付かない。


何もできない。


ただただここに存在しているというだけだった。
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