ある噂話の世界にて
「あっどうも。
 星川 円です。
 よろしくお願いします。」

ペコっ小さくお辞儀をする

それも歩きながら


「へぇ~円ちゃんかぁ。
 かわいい名前だねっ」

ニコっと後ろを振り返って
笑いかける


「ねぇ、学校いかないの?」

「あのさっ、円ちゃんって
 呼んでもいい?」

「転校生が初日から遅刻は
 まずいでしょ」

「私の名前、覚えてねっ♪」

「どこへいくの?」

「あたしの名前の漢字、
 大袈裟だよね。
 美しく輝くって…」

「今日、どうするの?」




……ダメだ

全く話がかみ合っていない

早く帰ろう。

こんな会話がまともに出来ない
お嬢様と一緒にいたらダメだ



ばれないように静かに
道を戻って行こうとした



が、誰かに制服の裾を掴まれている


首だけを可能な限り後ろへ向ける


会話の出来ない困ったお嬢様が
笑って裾を掴んでいる


(なんか恐い)
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