本当の愛を教わる
彼氏に問い詰めても、しらを切るばかり。これでは埒が明かないと感じた楓は、浮気相手の女――百合菜に事の真相を確かめることにしたらしい。
話を聞き終わっても顔色一つ変えない百合菜を見て、楓は苛立ったように口を開く。
「それで、どうなんですか!?」
明らかに敵意を向けてくる楓に対し、冷めた表情を向けて、表情同様冷めた声色で言葉を発した。
「一夜だけの約束だったけど、寝たわ。
悪いけど、私はあなたと違って、男に興味は無いの。
セックスするだけの関係。
だから、あなたの彼氏と浮気なんて全くする気はないけど、恋人がいる男と寝たのは事実だから、慰謝料請求してもらっても構わない。
お金だけは無駄にあるから」
百合菜は誰が見ても美人であったが、決して派手な見た目はしていない。どちらかというと、清純そうな見た目だ。
そんな見た目の女性から、男とはセックスするだけ、と言われ楓は返す言葉を失った。
…体だけの関係で、彼女がいるのを知らなかったと言われては、責める言葉が見つからなかった。
いや、あったのかもしれないが、冷めた口調で淡々と話され、目の前の女性を責めても意味が無いように思われた。
言葉を失った楓の代わりに、柘植が尋ねる。