病弱少女の杞憂
「好き…だよ。あの時からずっと、気がついたら千歌が気になって…。好き、です。俺と、付き合ってください。」


うそ…。


暑さで頭がどうにかしたのかと思ってしまう。


だけど、目の前にいる彼は見たこともないくらい真っ赤で、真剣で…かっこいい。


「わ、わたしで…よければ…よろしくお願いします…!」


言った途端、橘くんが嬉しそうに最高の笑顔を見せてくれた。


あ、やばい。


噴火した…!


わたしがくらっとして、倒れそうになると橘くんが支えてくれた。


でも…ちょーーーちかーい!!


「た、橘くんっ!」


橘くんの胸をおそうとしたその時、手を握られて唇に柔らかいものが重なった。


「…っ!?」


すぐに離れてくれたけど…わ、わたし…橘くんとキスしちゃった!?


橘くんの顔がすごく赤くて、なんだか可愛かった。


「ご、こめん…。千歌が可愛くて…。」


―ちゅっ。


わたしからしてみると、更に橘くんの顔が真っ赤になった。


「ち、千歌…。反則…っ!」


二人共顔が真っ赤でなんだかおかしくなって、二人して笑った。


そして、どちらともなく甘い、甘いキスをした。


周りから、サッカーをしてはしゃいでいる声と蝉の声が絶えず聞こえていた。


そして、真夏の太陽がわたしたちの足元を一生懸命に照らしていた。


               
               〜Fin〜  
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