空は透き通るぐらい哀しく蒼くて
夏は嫌いだ。

何故自分なのかと。

どうして普通でないのかと。

自分が惨めな気持ちになる。

そして、それを言ってしまったら。

お母さんは泣いて謝るから。

誰のせいでもないのに。

強いて言うなら、それはきっと夏のせい。

タブレットか淡々と流る先生の授業。

隣で山済みになった、課題の提出物。

走らないシャーペン。

真っ白のノート。

やる気の出ない私。

ため息をついてベッドにうつ伏せになる。

伸びた髪、去年の夏切るのは嫌だと伸ばし続けた。

何故嫌だったのか。

自分の事なのに覚えていない。

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