小悪魔な彼にこっそり狙われています



シワって……シワって!!失礼な!!

もう若くない、なんて余計なひと言までつけたりして!



「ったく……」



「フンッ」と鼻息荒く歩くものの、そんなにシワが寄っていたのだろうかと気になってしまい、自分の眉間を指先で伸ばす。

……けど、確かに前ほど怒る回数が減っているのは事実。

前ほどピリピリしていないせいか、オフィスの空気も心なしか軽い気がする。



町田さんのミス……は、相変わらず多いけれど。

でも少しずつ減ってきていることは確かだし、ミスをした時もすぐ泣くということはなくなった。

周りも上手くフォローするようにもなったし、いい仲間関係になってきている。



これまで自分の厳しさが、その心に余計なプレッシャーをかけていたのかもしれない、と自分自身少し反省した。

厳しい言葉も言い方もきっと時には必要で、だけど人によって、その時の空気によって、言い方を選ぶことも必要だ。



……来栖くんのひと言が、こんなにも大きいなんて。



『お礼とお詫びは、これで貰います』



けれど、その言葉と額に触れた唇を思い出し、頬がぼっと熱くなる。


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