小悪魔な彼にこっそり狙われています



「ひゃっ」



ぞくっと感じる感覚につい変な声が出ると、驚きと戸惑いに足元がよろける。

すると私の足は来栖くんの左足を軽く踏んでしまった。



「げっ!来栖くんごめん!大丈夫!?」

「っ〜……大丈夫、に見えますか……」

「見えないよね!本当ごめん!!」



捻挫した足を踏まれたとなればさすがに痛かったのだろう。来栖くんはその場にしゃがみ込み、声にならない声で左足をさする。



あぁ、安静に過ごせるようにと思って来たのに、私はまた余計なことを……!


あわてて自分もしゃがみ込み、来栖くんの足に触れようとした。

けれどその手は、彼の手に掴まれてしまう。



「来栖くん?」



なに?と問いかけようとして、顔を上げれば、すぐ目の前に迫る彼の顔。



「痛み止めに、キスをください」



そしてそう囁くと、そっと唇を重ねた。

優しく触れて、かと思えばそのまま舌を絡めて、吸い付くように口付ける。



「んっ……」


< 56 / 147 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop