憂鬱な午後にはラブロマンスを
珠子と結婚出来るかもと少しは期待していた俊夫だったが、珠子を洋介に奪われてしまうと拍子抜けしたような顔をして玄関へと向かった。
すると、俊夫と一緒に旅館から出て行ったと話を聞いた郁美が慌てて珠子の後を追ってきた。
「社長?珠子はどこですか?」
「さあ、どこだろうね。」
「ふざけないで下さい。珠子は遠藤部長が好きなんです。今でも部長を想っているんですよ。」
珠子に本当の自分の気持ちを見失わないようにと伝えたくて追いかけたものの、俊夫につかまりかなり警戒している郁美。
相手が社長と言えど親友を泣かせることだけは許せないと威勢だけはよかった。
「そう。それは残念だな。それで、珠子を追いかけてどうするつもりだったんだ?」
「勿論、珠子に分からせようと思ってです。本当に好きな人と結ばれるべきだと。」
「私もそう思っているよ。だから、もう安心して旅館へ戻りなさい。」
俊夫は郁美を旅館の方へと引っ張って行った。
郁美の存在は洋介と珠子の仲直りの邪魔になるだろうと思って。
「何が安心なんですか?! ちょっと社長?」
「大丈夫、今頃はあの二人は幸せな時を過ごしていますよ。」
「はあ? 意味分からないですけど?」
意味不明の俊夫の説明に郁美はますますイライラして俊夫に噛みついていた。
あまりにも吠える郁美に俊夫は面白いおもちゃを拾ったとそのまま宴会場へと郁美を連れて行った。


