キミと初恋、はじめます。


「華沢ってさ、委員長の素質あんじゃね?」


「えぇ!?」



野村くん、突然なにを!


あたしが驚いて目を見開くと、野村くんは可笑しそうに笑った。



「華沢が転校してきてから、まだあまり日は経ってないだろ? 今回の学園祭で、クラスの奴らと仲良くなれたらいいな」



……え、野村くんに頭撫でられた。


あたしは目をぱちぱちさせ、状況がわからないままとりあえず頷く。


野村くんって、あまり意識して見た事はなかったけど、整った顔してる。


あたしの周りには、お兄ちゃんとか翔空とか、もう次元が違うイケメンが数多くいるから気づかなかった。


委員長だけど真面目すぎなくて、チャラいけど人柄は優しいし。



「……野村くんて、モテるでしょ?」



思わずそう尋ねれば、今度は野村くんが目をぱちくりさせた。



「いや。たとえモテるとしたって、好きな奴からモテねーとなんの意味もないだろ?」


あ、野村くんが名言を。


こんな事をサラッと言えちゃうんだから、やっぱり委員長なだけあるよね。
< 186 / 418 >

この作品をシェア

pagetop