キミと初恋、はじめます。
「華沢ってさ、委員長の素質あんじゃね?」
「えぇ!?」
野村くん、突然なにを!
あたしが驚いて目を見開くと、野村くんは可笑しそうに笑った。
「華沢が転校してきてから、まだあまり日は経ってないだろ? 今回の学園祭で、クラスの奴らと仲良くなれたらいいな」
……え、野村くんに頭撫でられた。
あたしは目をぱちぱちさせ、状況がわからないままとりあえず頷く。
野村くんって、あまり意識して見た事はなかったけど、整った顔してる。
あたしの周りには、お兄ちゃんとか翔空とか、もう次元が違うイケメンが数多くいるから気づかなかった。
委員長だけど真面目すぎなくて、チャラいけど人柄は優しいし。
「……野村くんて、モテるでしょ?」
思わずそう尋ねれば、今度は野村くんが目をぱちくりさせた。
「いや。たとえモテるとしたって、好きな奴からモテねーとなんの意味もないだろ?」
あ、野村くんが名言を。
こんな事をサラッと言えちゃうんだから、やっぱり委員長なだけあるよね。