キミと初恋、はじめます。
この行動が読めない感じ、なんか翔空と似てる……。
委員長ってこんな人だったっけ?
「っ……の、野村くん!」
このまま走ったら喘息発作でも起きかねない、と判断したあたしは、叫ぶように名前を呼んだ。
「あ、わりぃ」
ハッとしたように立ち止まった野村くんに、安堵しながら呼吸を整える。
「ど……どうした、のっ?」
「……華沢さ」
誰もいない昇降口。
あたしの荒い息と、野村くんの真面目な声だけが響く。
「星宮先輩といて、幸せか?」
「……な、何で急にそんなこと」
あたしが翔空といて幸せかなんて、野村くんには何も関係ない事なのに。
どうしてそんな、真剣な顔をしているんだろう。