キミと初恋、はじめます。



「……詩姫っ」


「あ、なっちゃん」


「今のって…いや、そんな事はどうでもいいわ。シオンさん、衣装ってそのままでも良いですよね?……なんか無駄にキマッてるし」



走って戻ってきたなっちゃんが早口に言う。



「無駄に、は余計だけどいいよ。これモデル撮影の衣装なんだ。そのまま着てきちゃっただけだし、衣装みたいなもんだよ」



「そうですか。じゃ、向こうで説明しますんで…」



「おっけ。じゃ、シキ行ってくるわ」



とんとん拍子に進んでいく話に困惑しながらも、あたしは強く頷いた。



「歌、今から覚えられますか?」


「あー、俺大抵の曲知ってるから大丈夫だろ」



そんな会話が歩いていく2人から聞こえてきて、なんとかなりそうだ…と息をつく。



「……なんか、俺、役立たず?」



その背中を見送りながらまた小さな声で呟いた祐介くんの頭を撫でてあげる。


祐介くん、決して役立たずじゃないよ!


っていうか、祐介くんもゲストとして登場しちゃえばいいんじゃないかな!?



「シキー」



裏方からのんびりと入ってきた翔空に、あたしは真っ先に駆け寄った。


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