キミと初恋、はじめます。
「行かない。あたしは、ここに残る」
「……だから、何を言っていると言っているんだ!」
ビクッ
大声であたしを怒鳴りつけたお父さんから守るように、お兄ちゃんがあたしの前に立ちはだかる。
お兄ちゃん……っ?
「いい加減にしろよ!いつもそうやって、シキの気持ちを何も考えずに頭ごなしに否定して!」
「おまえに関係無いだろう」
「関係無いわけあるかよ…!俺はシキの「だいたいおまえは!!」
お兄ちゃんの言葉を、ダンッと机を叩きつけて遮り、立ち上がったお父さんにお兄ちゃんの顔が険しくなる。