キミと初恋、はじめます。
電話を切って、ふと窓から外を見上げた。
詩姫は前に自分はここに来てから変わったと言っていたけれど、多分それは、私たちも同じ。
一番変わったのは、言うまでもなく翔空だけれど。
あの翔空が恋をしたってだけでも驚きだったのに、まさかあそこまで一途なヤツだとは思いもしなかったわ。
無気力で自分のペースでしか動かなかったのに、詩姫の事となればなんだってしようとする。
長い付き合いのこっちからしてみれば、拍子抜けもいいところよね。
それでも、なによりも安心した。
私と祐介が付き合って、いつも三人でいた仲は少しずつ離れてしまっていたから。
翔空の事だから、私たちの事を邪魔しないようにと避けていたんだと思う。
元々私たち以外には〝素〟の欠片も見せないようなやつだったから、尚のことこちらとしては心配で。
祐介は自ら翔空にくっついていたし、私も悟られないくらいには距離を保っていたつもりだった。