キミと初恋、はじめます。
「あら……こりゃまた強く爪立てられたわね」
「え?」
南先生の言葉に、自分の腕を見てみると確かにそこには明らかな爪の痕。
赤くなってる……。
「いたい?」
「っ……!」
あたしの首筋に顔を埋めて少し低い声で言った翔空に、背筋を震わせる。
翔空のそのふわふわな髪が、首にあたってくすぐったいんですけど!
いい加減離れてくれませんか、翔空くん!
「翔空、くすぐったいってば」
「ダメだよ、じっとしてて」
……あたしの話聞いてない……。
「まあでも、切れてはないし薬だけ塗っとくわね?」
「は、はい。ありがとうございます」
南先生は手際良く薬を塗って、笑顔を向けてくれた。
「ちょっと翔空くん。ちゃんとシキちゃんの事守らないとダメよ?何かあったら大変だからね」
「わかってるー」
あたしの首から顔をあげた翔空は、のんびりと微笑んだ。