キミと初恋、はじめます。
「と、翔空!行こ?鐘なっちゃうよ」
「えー。シキと離れたくない」
なんとか翔空から離れようとバタバタしてみるものの、背後から抱きつく翔空の力は弱まることはなく。
あたしが泣きそうになっていると、
────……ガラッ!
「あ、いた!」
そんな声と共に、医務室の扉が開かれて入ってきたのはショートカットの美人な女の子。
……も、もしかして翔空の取り巻きの人!?
あたしはサッと血の気がひいた顔でかたまったけれど、たいして翔空はなぜかその女の子を見てムスッとした。
ショートカットの女の子はつかつかとあたし達に歩み寄ってくると、
「……この変態!」
「ってぇ!」
翔空の頭を殴った。
……殴った!?