キミと初恋、はじめます。


「俺らも行くよ!なっつんもその気でしょ?」


渋矢くんに「当たり前」と頷いたなっちゃん。



「やっとシキに会えたんだから、離すわけないでしょー?俺がいる時は俺が守るんだから」



翔空はなっちゃんと渋矢くんを置いて、あたしの手をつかみ、歩きだした。


……本当、普通に手繋ぐんだよね。


翔空の手は大きくて、あたしの手なんか包まれちゃうくらい。



「あれ、本気だね」


「びっくりだよな!あの翔空が恋とか!」



後ろからそんな会話が聞こえてきて、ひとりかぁっと熱くなっていると、


「……?」


ちらりと見上げた翔空の顔が、心なしか赤くて思わず目を瞬かせる。


もしかして……。



「と、翔空も、照れてる……の?」


「…っ……」



ふいっと顔を逸らした翔空に、あたしはキュンと胸が締めつけられた。
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