キミと初恋、はじめます。




────…昼休み。



「シキー」


授業が終わった途端、あたしのクラスにひょこっと顔を出した学園の王子さまに、クラス内(主に女子)が騒ぎ出したのは言うまでもなく。


一緒についてきた渋矢くんも、どうやら女子達には人気の的らしい。


そんな渋矢くんの彼女なんて、なっちゃんはすごい。美人だし。


あたしの名前を呼びながらだから、また怖い視線が浴びせられたのだけれど、そんな女子達を上回るほどの眼光でなっちゃんが睨み返してくれた。



「翔空、あたし先生に呼ばれてて行かなくちゃ行けないんだ」


せっかく来てくれたのに申し訳ないんだけど……と翔空を見上げながら、眉尻を下げて言った。


今朝、先生に昼休み職員室に呼び出されてしまったのだから仕方がない。
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