キミと初恋、はじめます。
「もー、夏うるさいよ。俺がシキとくっつきたいんだからいーの」
「よくないわ!詩姫が困ってるでしょ!?」
「いやなもんはいやだ」
なっちゃん、ダメだよ。
翔空のマイペースさには、なっちゃんでも敵わない。
渋矢くんは、なっちゃんと翔空の会話を聞きながら、苦笑していた。
「なっちゃん、ありがと」
「……ねぇ、なんであんたってそんなに素直ないい子なの……!?うん。やっぱり詩姫はこの変態野郎にはもったいなさ過ぎる。もう無理矢理にでも引き剥がそうか」
「え、なっちゃん!?あたしなら大丈夫だから……落ち着いて、ね?……あ、先生」
翔空にゲンコツを落とそうとしたなっちゃんを慌てて止めて、ちょうど職員室から出てきた陽川先生に目を向ける。