イジワル同期とスイートライフ
初回以来、どうにも衝動が止まらなくて、毎日のように彼女を抱いて、それでも足りずにいる。

そもそも、つきあうなんて懲りたはずじゃなかったのか。



「まだ寝るなよ」

「え…」



肩を揺すると、眠たそうな目がこちらを見上げてくる。

その目が「今日もなの?」と困惑気味に問うてきたので、「今日もだよ」と返す。


悪いか。

自分だってやりたいくせに。


キスをすると、すぐに表情が変わる。

仕事仲間の顔から、女の顔に。

ほら見ろ。


向こうのシャツに手を入れて、素肌をなでると、合わせた唇から吐息がもれる。

今日はどうしてやろうかな、と六条の並びのいい歯を舐めながら考えた。

きれいな顔が苦痛に歪むまで責めるのもいい、蕩けるまで甘やかすのもいい。


なんて考えている自分に苦笑した。

どうせすぐに制御が利かなくなって、本能のまま貪るだけになる。

毎回そうであるように。


これまでなら、控えめな相手には、恥ずかしがらせないようそれなりの注意を払っていた。

こと六条が相手となると、どうにもそういう配慮ができない。

でもまあ、いいよな、とあえてシンプルに考えることにした。

つきあっているという形もあることだし、六条も同意したわけなんだし、多少行きすぎたってそんなの、ふたりの間で笑えればいい。


腕の中の六条が、温まってくる。

理性のあるうちは、それなりの行動しかとらない彼女のタガを、さっさと外してやろうと決めた。

かすかな吐息が、弾む呼吸に、やがて必死に喘ぐ声に変わる。


懲りたはずじゃなかったのか。

自分でもわからない、どうしてこんなことになったのか。

明らかに乗り気じゃない六条を丸め込むようにしてまで、形にこだわったのは、なぜなのか。


溶けてきた六条を抱きしめながら、少しの申し訳なさが湧いた。


だってほかに思いつかなかったのだ。

この身体を、自分だけのものにしておく方法を。


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