イジワル同期とスイートライフ
要するに国内のおつきあいは、もうズブズブなのだ。

暗黙の了解とか、気遣いとかあきらめとかに守られて、権力のある人が好き放題する。

今日の出来事なんて、氷山の一角だ。



「俺さあ、ちょっと考えてること、あるんだよな」

「なに?」



言っておきながら、うーんと考え込んでしまう。



「やっぱいいや、もっとまとまったら言う」

「そう? あ、そうだ、ごめん今日、花香さんにね」



名前を伝えてしまったことを話すと、久住くんがうなだれた。



「ごめん、なりゆき上、仕方なくて」

「いや、いいよ、どうせ明日会うんだし」

「…険悪な感じなの?」

「どうかなあ…」



運ばれてきた食事を、手狭なカウンターに並べながら首をひねる。



「最後の半年くらいは、もう冷戦状態だったからな」

「久住くんが?」



そういうの、一番嫌いそうなのに。

言いたいことをお腹に溜めておくのを、絶対に許さないじゃないか。



「俺も若かったし」

「それで懲りたの?」

「懲りたし、反省もしたよな」



私の知っている久住くんは、私の知らない時代の久住くんからできている。

当たり前のことなのに、こうして目の当たりにすると、けっこうこたえる。



「他と比べて、2年って長い?」

「高校から大学にかけて、期間でいえば同じくらいのは、あったな」

「意外と真面目だね」

「でも、高校生と社会人じゃ、つきあいの濃さが違うだろ」

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