今、2つの色で


同じクラスじゃないからまだいいけど、今みたいに朝とか、休み時間とか、放課後とか。


逢坂は堂々と、あたしに話しかけてくるのだろうか。


もしそれが本当にこれから起こり続けるとしたら、いつかきっと駿に不審に思われてしまう。


そうなったら駿はなんて言うのだろう。


そう、駿は――


ハッと我に返って、あたしは斜め前の席を見た。


そこは、空席だった。


見慣れた駿の姿がそこにないだけで、なんだか物足りなくも思う。

< 143 / 500 >

この作品をシェア

pagetop