今、2つの色で


あたしは上体を起こして、目の前にいる駿の姿を確認した。


駿はいつも通りの真面目な制服の着こなしで、サラサラの黒髪には今日も艶がかかっていた。


「駿、おはよ」


あたしはただ挨拶して、駿の顔を見上げる。


駿はそんなあたしに挨拶を返すと、静かに謝った。


「昨日ごめんね」


そして、斜め前の席に座る駿。


「駿――」


キンコーン…

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