今、2つの色で


昨日。


もしあのとき駿が本当に学級日誌を書いていなく、その場にいなかったら?


もしくはその場で、女の子と楽しそうにしている姿を目の当たりにしていたら?


あたしはあの場で、別れを切り出せた?


ごちゃごちゃと絡まり合う感情に平常心でいることを邪魔されて、あたしはそれをかき消すように机に突っ伏した。


目を閉じて、一旦思考回路を停止させる。


そしてすぐに、暗闇の中に聞こえてきたのは。


「凛夏」


間違いない、駿の声。

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