今、2つの色で


そんな駿が教室から出て行く姿を見終えると、あたしは伸びをして、こちらへ向かってくる未亜に手を振った。


「未亜~おつかれ」


あたしはお弁当を机の上に置くと、前の席に座った未亜にニコッと笑いかけてそう言った。


「ちょっと凛夏~、実行委員なっちゃったね」


未亜は今日も、お弁当箱を包んでいるバンダナを解く。


少し笑っていて、なんだか楽しそうだ。


「びっくりしたよ、実行委員なんて」


あたしはお弁当箱の蓋を開けると、手を合わせて“いただきます”をしてから食べ始めた。

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