今、2つの色で
「ん?」
あたしは近づいて、駿の指差すしおりを覗き込む。
「体育館をこうやって分けて…こっちをバレー、こっちをバスケにしたらいいんじゃないかな」
駿はしおりに書かれた体育館の図を指で差しながら、そう説明をした。
「なるほど!それがいいね、そしたら一気に2種目できる!」
「でしょ、バレーはコートが必要だしバスケはゴールが必要だから…こうすれば効率がいい」
駿はそう言って顔を上げると、あたしを見て微笑んだ。
その表情は、いつもより少し優しい気がした。
気のせいかな。