今、2つの色で




そのあと全体で話し合った結果、あたしたちの出したバレーとバスケの意見が推され、本番でやる種目はその2つに決定された。


体育館を2つに分けるという駿の案を、ほかの生徒や教師までもが気に入ったらしく、駿はとても嬉しそうにしていたけど…その代わり逢坂はずっと不機嫌だった。


「凛夏」


逢坂の、声だった。


あたしが鞄にしおりをしまいながら、顔を上げて逢坂を見る。


「帰ろうぜ」


逢坂はそう言ってあたしに近寄ってくると、そのまま手首を掴んで歩きだそうとした。


「ちょ、ちょっと待って逢坂」


今日は、大切な用事がある。


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