今、2つの色で


駿のほうを見る。


駿は気づいていないのかそういうフリをしているのか分からないけど、あたしと同じく鞄の中にしおりやら筆記用具やらをしまっているところだった。


「なんだよ」


ただでさえ不機嫌な逢坂が、更に不機嫌そうにあたしを見る。


あたしは掴まれていないほうの手でその手を払い除けて、そのまま両手を手を合わせて謝った。


「ごめん、今日は一緒に帰れない、先帰ってて」


「あ?なんでだよ」


逢坂の不機嫌そうな声を聞いて、なんとか機嫌を取ろうと考えていると。

< 317 / 500 >

この作品をシェア

pagetop