人間嫌いの小説家の嘘と本当
予期しない感覚に、思わずビクッと肩が揺れる。
「痛む?君が彼のボディーガードになっていなければ、こんなことにならずに済んだのに」
優しい声なのに、どこか鋭い棘が隠れているように感じる。
やっぱりこの人もあの頬に傷のある男と同じ、侑李が目的なんだ。
世界のある一部の地域では、アルビノの体の一部を幸運の象徴として家宝にするらしい。
馬鹿馬鹿しい事ではあるけれど、現実なのだと思い知らされる。
「侑李に何をするつもり?彼に何かしたら、許さないから」
後頭部を触られているせいで、顔を動かすことが出来ず、眼だけを動かし精一杯の睨みをきかせた。
「そうやって君は、自分の心配より他人を心配するんだ。自分の状況、分かってる?」
後頭部にあった手が顔の方へと移動し、顎をもたれたかと思ったら、そのままグッと持ち上げられ背中を逸った体勢で男と目があう。
無理な体勢で息をするのも苦しく眉を顰めた。
そんな私の様子を楽しむように、男は鼻の先が付くくらいまで顔を近づけニヤリと笑みを浮かべる。