人間嫌いの小説家の嘘と本当
優しく微笑み、私の名前を呼ぶ。
そして、私の方へ手を差し出した。
「侑李様を、よろしくお願い致します」
隣では、櫻井さんが深くお辞儀をして促してくれる。
私は彼の腕に組んでいた手を抜き、また一歩前へ踏み出し差し出されている侑李の手に自分の手を重ねた。
優しく掴み取られた手は、大きくて温かい。
並んだ私たちは見詰め合い微笑む。
私たちの出会いには、必ず月が空に輝いていた。
その月に見守られながら、厳かに式は進んでいく。
指輪の交換、誓いの言葉、そして誓いのキス。
数えきれないくらいキスはしてきたけれど、チャペルでするキスは、何か特別なものを感じる。
キスを交わし額を合わせる私達。
「侑李、大好き」
周りのみんなに聞こえない様に小声て囁く。
すると侑李も目を細め、返してくれた。
「あぁ、お前を必ず幸せにしてやる」