悪いキス
「熱は無いみたいだけど、気分悪いなら荷物持とうか?」
半ば強引に肩にかけたカバンを引き取った
「だ、大丈夫なのに…」
「いいってこれくらい。気にすんなよ。僕もさ今日の合宿憂鬱なんだよね…いや、毎日が憂鬱かな」
「え…、憂鬱?」
「行きたい学校に入れたわけじゃないし、はっきり言って自分以外の同級生を見下してたんだけど…。なんかそれって違うなって最近思えてきて」
「学校がつまらないの?一緒だね」
わたしはため息をついた
余頃(よころ)との会話でも大航のことばかり考えていて
この合宿で少し距離を置きたいと感じていた